前回から5か月もたってしまいました。その間、安保法案が衆議院で強行採決され、そして今週中にも参議院でも採決すると与党自民党は言っています。
思い返せば、昨年6月?に集団的自衛権容認の閣議決定がなされ、そのころ危機感を持っていた私は、民主党代表の岡田氏が地元で説明会をするというので、初めてそういう場へ行ってみたのです。その頃は民主党は今のようにはっきりと反対の姿勢を取っておらず、その説明会が終始集団的自衛権の内容説明であったので、私は「今日ここに来られている方ほとんどが思っていらっしゃると思うのですが、民主党として集団的自衛権には賛成なのですが?反対なのですか?」と質問をしました。明確な答えは得られませんでした。周りの年配の男性の方々(来ているのは大多数が年配の男性)に「良い質問をしましたね。」などと褒めていただきましたが、代表の答えに何とも言えぬ空しさを覚えながら帰りました。
そして年末、安保問題を後ろに隠した消費税選挙で圧勝した自民党は露骨にマスコミを圧力をかけ、情けないことにマスコミも妙に弱腰になっていました。私などには到底わかりませんが、そういう圧力ってどれくらい怖いものなんでしょう・・・?春ごろはなんだか真っ向から反対するのがタブーのような感じさえありました。
それが6月の憲法調査委員会?で、招致された憲法学者がこぞって「違憲だ」と発言し、マスコミがそれを大きく取り上げ、その時から急に風向きが変わったのです。昨日まで古館さんの質問になんとも回りくどく答えになっていないコメントを述べていた新進気鋭の憲法学者さんもその時を境にはっきりと「違憲」と言うようになりました。まあ心の中はずっとそう思っていたのでしょうが、それまでは言いにくい何かがあったのでしょうか?やはり。
そこからマスコミも「違憲」「違憲」の大合唱。各地でデモも拡大していきSEALDsという若者の団体も出てきて注目を集めています。ようやく年配の人たちだけでなく、女性も、若者も、国民の多くが気付き、行動を起こし始めた!
しかし・・・私は何か違和感を覚えるのです。これも日本人特有の「空気」を読んで「多数に付く」だとしたら、いやだなあ・・と。これでもし安保法案が今国会中に成立しないのなら、それでも「まずはよかった」と私は思います。だって私一人の力で阻止なんかできないのだし。
逆に予定通り今週、法案が通ってしまったら・・・もちろん通ってすぐに集団的自衛権を行使するような事態はやってこないだろうから、何も起こらない。するとだんだん忘れられてしまうんですよね。マスコミが騒ぎ続けない限り、すぐ人の関心は新しいほうに向いてしまう。今でいえば、マイナンバーでしょうか。これもこの問題だけ取り上げて書きたいくらいの大問題です。究極、安保法案の問題とも関係しているので。
安保法案に賛成の人たちは「抑止力」「中国の脅威」を強調し、自分たちの考えが現実的であると主張します。そう騒ぎ立てることこそが隣国を刺激しているのに、です。祖父の教えを忠実に実現しようという安倍総理を陰で操る、つまりそれでうまい汁を吸える一部の政財界の人たちにしてみれば、本気で安保強化が抑止力になると思っている人を、おめでたいと思っているかもしれません。日本版軍産複合体・・・これこそが彼らの真の目的なのだから。
彼らは軍拡をして、場合によっては海外で戦争を手伝う程度を想定しているのかもしれません。現地で危険にさらされるのは自衛隊員(そのころには国防軍になっているかもしれません)。人が足りなくなって徴兵制にすることなど、安保法案が通るくらいならば容易いことでしょう。解釈論で言えば「苦役にはあたらない」と言い出す。あるいはすでに憲法改正に手を付けているかもしれません。世界を見れば一見平和に映る国が実は徴兵制をとっていて、一定期間兵役義務を課しているところは結構あるのです。
すべては繋がっているように思えます。格差問題・少子化問題・大学入試改革・国立大の文系廃止問題・・・もちろんすでに始まっている原発再稼働・特定機密保護法や、これから始まるマイナンバー・TPP・・・。負の部分が回ってくるのは私たちのような普通の国民なのです。
始まるときは静かに、少しだけ、ひっそりと始まるのです。たった5度の角度を間違って歩み始めてしまったら・・・気が付いた時には全然違う所へ来てしまっていた、、、とならないように。気が付いたら戦前みたいになっていた、とならないように。「ニッポンを取り戻す!」というあの滑舌の悪いコマーシャルが脳裏をよぎります。いつの時代に戻ろうとしているのですか?
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